火曜日, 3月 30, 2010

3/21-27 CAA Avalanche Operations Level 1


 しばらく更新をサボっていましたが、つい先日までCAA(Canadian Avalanche Association)のAvalanche Operations Level1というコースを受講していました。雪崩に関わる仕事をする人が最初に受けるプロフェッショナル向けのコースで主にスキー場のパトロールやバックカントリースキーガイドを目指す人たちが一緒に受講していました。自分はおそらくスキーガイドにはならないと思いますが、次に受けるアシスタントアルパインガイドの試験の必須資格なので強制的に受講。値段が少々高いし、雪崩に積極的に関わる仕事(スキーガイド、ハイウェイの雪崩コントロール、スキー場パトロール、雪崩予報官など)につく気もあまりないのでかなり躊躇しましたが、この一週間のコースを通して正直雪と雪崩を見る目が変わりました。日本とかなり異なるここカナディアンロッキーのシビアなスノーパックの上で遊ぶにはとても有益なコースでした。

 それにしてもキャンモアから80kmほど離れたレイクルイーズまでの通勤がかなりダルかった。山小屋をベースにした同コースもあるので本気で学ぶならそちらの方がいいかもしれませんね。ヘリ代、小屋代が高いけど環境は抜群に良いでしょう。インストラクターも小屋ベースは素晴らしいと言ってました。




土曜日, 3月 20, 2010

3/17-18 BC Ski "Tonquin Valley"

 天気もコンディションも悪く二泊三日のスキーツアーが中止になってしまったので、プランBのTonquin Valleyへ妻と二人で行ってきました。最近いきなり降り出した雪で山はやや不安定な様子。でもここは基本的に大きな谷を歩くのでこんなコンディションでも可能。天気がやや悪いのが気になるけど、まぁテントがあればどこでも泊まれるので取りあえず行ってみます。

▽降ったり止んだり、降ったり止んだり…
前日の夕方にキャンモアを出発しロングドライブの末、ジャスパー近郊の登山口へ。そして車中泊。とても暖かく雨が降ってきたりしてテンションは低めです。朝は曇り。しかし歩き始めると次第に雪が。時折吹雪いたり、風が強くなったり。ただ時々青空がうっすらと見えたりするので何となくやる気もでる。そして、登山口から標高差600m、距離9KMをだらだらとあるきMaccarib passへ。なだらかな丘なようなパスをスキーにはもってこいの斜面が囲みとても気持ちのいい場所。次回はここをベースにして滑り重視なスキーツアーをするのも楽しそうです。しかし今日はあいにくの強風。さっさと下りました。残りの緩やかな下りと平地7kmは完全な曇り、そして時々吹雪き。吹きさらしなので寒かった。やっぱりブーツが当たって足の痛いO.J.。この辺りで結構意気消沈してました。

▽Maccarib Passにて 奥の岩山はRampartsの一部
手前はいかしてるおっさん
▽風を耐え忍ぶO.J.
 
 そして以前からずっと来てみたかったAmethyst Lakeの湖畔にてキャンプ。ここまでくると風も止み静かで快適でした。時々テントを軽くたたく雪の音を聞きながら日本酒をちびちびとやる。冬キャンプ初めてのO.J.も静かな夜を楽しんでいました。やはり山で過ごす夜は良い。気温もマイナス7度程度で快適そのもの。
▽キャンプ地とAmethyst Lake そしてThe Rampartsの山々
 
 翌日は同ルートを戻る。朝はやや雲があるもののパスまではとても美しい日の出を堪能しました。しかしMaccarib Passへの登りはまたもや冷たい風と悪い視界。しかしパスを登りきるとガスが晴れよい景色。とても忙しい天気です。パスからちょっとした滑りを楽しんだあとはだらだらとした下り。大して滑らんだろうと高をくくっていましたが、これがまたシールをつけないで歩けるぎりぎりの線。歩きとスケーティングと手漕ぎを駆使して数キロ進むとあとは程よい傾斜をほとんど歩かずに滑って駐車場まで戻ることができました。Amethyst Lakeから所要時間5時間半とうれしい誤算でした。

▽日の出は素晴らしかった 山で一番好きな時間帯です

 Maccarib Pass周辺はかなり遊べそう。次回はそこをベースに楽しむべし。

水曜日, 3月 17, 2010

3/14 2010 Junior Climbing Competition


 コンペ当日。10歳以下から13歳までのグループ1からスタートし、14歳から17歳のグループ2、そして18歳から19歳のグループ3と各グループ2時間30分の制限時間でどれでもいいから片っ端から登ってゆくという単純なルールで行われました。リーチの長さなどで単純には比較できないけど17歳ぐらいの子の身体というのはクライミングに対してとてもバランスがいいような気がしました。軽い体重とそこそこの筋肉、細い指。強いわけではないけどバランスがいい。それ以上の歳になると体重も増え筋力でカバーする部分が多くなるので大人なクライミングになるみたいです。この中からクライミングがオリンピック種目になる頃に選手として選ばれる子もいるかもしれないなぁ、なんて思いました。
 コンペ課題はそのまま保存されているのでぜひとも登りに来てください。特にリードルートの11台、12台は特に良いルートが揃ってますよ。
 

土曜日, 3月 13, 2010

3/12 ルートセット

 
 職場であるバンフセンターのクライミングジムで今週の日曜日にユース・コンペティション(スケジュールはこちら)が開催されます。ここ数日の仕事はジムのホールドをすべて外し、洗い、ルートをセットすること。すべてが終わるとボルダールート数本と5.6から5.13までのルートが全部で35本ほど出来上がります。一度さっぱりとした壁にどんどん新しいルートが出来てゆくのを見るのは気分が良いものです。


 ルートセットしているときは頭の中で色々なムーブやアイデアがぐるぐると回り、すごく集中するので時間があっという間に過ぎてゆく。すべて自分の手仕事なのでルートのグレードに関わらずできたルートを他の人に登ってもらうときは結構ドキドキします。センスも必要、経験も必要、でも細かく考えて丁寧に仕上げることもまた必要。日曜のコンペが非常に楽しみです。

金曜日, 3月 05, 2010

3/3 BC Ski "Mt.Coleman 3135m"

▽Coleman Lakeにて
 同僚ヒロとウィーピングウォールで有名なCirrus Mountainのすぐ南にあるMount Colemanへ繰り出しました。ガイドブックによると標高差1600m、距離14km。地図をみると出だしのガリーを登りColeman Lakeまでが2kmちょっと、しかし標高差が700m。スキーを履いて登れる傾斜とは思えないし、しかも樹林帯なのである程度覚悟していきましたが、その部分に関してはまさに"Oh, this is a HELL, man!"。暖かく雪の降らない日が続いているので雪質と雪の量が非常に悪く、登り下り共に苦戦しました。感覚的には去年のMt.Wilsonの悲劇を越えているような。まぁあの時の悪さはまた別のステレニアス感がありましたが。しかし、一度アルパインエリアに入ると一転して快適な斜面。時間と場所によってあらゆる雪を体験したせいか非常に長く感じる一日でした。
▽Cirrus, Coleman 周辺
 スタートはすでに明るくなる7:00。踏み跡をたよりに樹林帯を進む。しかしある程度高度を稼ぐと岩場が出てきたり、傾斜がきつかったりでつぼ足に切り替えざるを得ない。雪質は壊れるクラストとその下のまったくサポート力のないファセット(粒の大きなグラニュー糖のようなさらさら雪)が非常にきつい。300mほど高度を稼いだところからまたスキーを履き硬くクラストした踏み跡をたどる。下りが心配だけどつぼ足と比べたら遥かに楽。やがて名の無い小さな湖を経由して大きなColeman Lakeへ。
▽出だしの斜面 この腐った雪が曲者
▽Coleman Lakeでスケッチするアーチスト・ヒロ (嘘)
 当初はCirrus Mountainを狙ってもいたが、思いのほか時間が掛かってしまったし下りも時間を食いそうなのでColemanへ。ここから頂上までは3km、標高差700m強。快適な斜面を黙々と歩く。振り返るとCirrus Mountainがかっこよく聳え立ち滑ったら面白そうな氷河が見える。あれはいずれ行かねばなるまい。それぐらいかっこいい。
▽Cirrus Mountain(右奥)
▽Mt.Coleman 雪壁の真ん中を直登したが…
 頂上へ続く雪壁は結構急斜面なのでスキーをデポしてキックステップで直登。硬いクラストだったのが次第に深くなり腿ラッセルになり、頂上に近づくにつれて地形がボウル状になり弱層とその上のスラブが気になり始める。北東向きの斜面であきらかにウィンドローディングした雪。弱層が20cmと40cmに見られ登れば登るほどそれが深くなってゆく。立ち止まり簡単な雪柱を切り出してテストしてみると両方の弱層で簡単にスライドしてくる。うーむ、なんだか危険な雰囲気。左右の稜線に上がるにしても距離がありすぎて別ルートも取りづらいのであと標高差60mを残して敗退決定。最近雪崩講習の予習をしているので何だか怖くなってしまった。以前だったらこの程度の雪質だったら気にせずそのまま登っていたと思うし、おそらく登っていっても実際は問題ないと思った。でも流れればヒロも一緒に流れる状況でそのまま突っ込むのはどうかというのもあり、そんな判断に到った次第。
▽硬いクラストから深雪へ変化してゆく斜面
 敗退とはいえスキーアッセントの魅力はその下りにあり。北斜面に保存されていた良い雪を快適に滑りあっという間にColeman Lakeへ。このルートはメローな傾斜あり、選べば急斜面ありのとても素晴らしいランだった。曇り空も青空に変わり素晴らしい景色。とても良い場所を見つけた。
▽メローな一枚バーンをメローに楽しむ
 そして下り後半。懸案だったハードクラストは気温の上昇と太陽光によってざらめに変わり快適。あちこちで湿雪雪崩が起きていたが規模も小さいので気にせずスピーディー下る。そして最大の難所へ。はじめはタイトな樹林帯。雪が緩みすぎてスキーがコントロールできず転び、木にぶつかること数え切れないほど。傾斜が上がりガリー状に近づくと朝あった雪がガンガンに流れて遥か下でデブリになっている。雪が無くなった部分は硬い雪とジュニパーやらスクリーが出ていて非常に歩きづらい。残っている雪も油断しているとスライドしてゆくので怖い。一度一緒に6mほど雪と一緒に流された。そのまま木に激突しそうだったので焦る。時々立ち止まり気力を回復させないと集中力が続かない感じ。それでもじりじりと下り何とか18:00にパーキングに到着。途中から全然ケアしてあげられなかったヒロもどろどろになりながら無事降りてきた。

 うーむ、この最初と最後にくる悪場がなければ誰にでも薦められる良い山なんだけど。どうにかそこを通らずにCirrusとColemanにアクセスできないものか思案中。それぐらい上部は良いところでした。まぁ敗退したしまた行かないとね。
▽Coleman Lake周辺はとても気持ちの良いところでした

木曜日, 3月 04, 2010

3/3 暖かい冬

溶けはじめた名のない湖

今日も暖かな日だった
ジュニパーの上に乗った湿った雪とともに5メートルほど流された
ひやっとしつつ土の中の春の匂いをかいだ
全然らしくないカナディアンロッキーの暖かい冬
もうちょっと頑張ってほしいな
雪と冷たい空気にさ